近年、クラウドソーシングサービスやレンタルサービスなど、マッチングサービスの種類や幅が広がったことで、マッチングサービス市場は急激な拡大を続けています。
そんななか、「マッチングサービスの運営を始めたいけど何をすればよいか分からない」「マッチングサービスの運営にはどのくらいのコストがかかるの?」といった悩みを抱えていませんか?
本記事では、マッチングサービスの運営に必要なことをはじめ、収益モデル・コスト・開発方法まで詳しく解説します。
マッチングサービスの運営に必要な4つこと
マッチングサービスの運営に必要なことは以下の4つです。
- サーバーの管理
- 改善・更新
- 利用状況の監視
- 集客
それぞれの運営方法について1つずつ詳しく解説します。
サーバーの管理|安定してサービスを稼働させる
マッチングサービスは、基本的にWebサイトもしくはアプリを通じて提供されるため、サーバーが必須です。
そもそもサーバーには、Webサイトやアプリで提供するデータを保管し、ユーザーからの要求に応じて必要なデータを提供する役割があります。
例えば、ユーザーが「○○というWebサイトが見たい」と要求した場合、サーバーは該当するWebサイトを保管しているデータから探し出し、表示してくれます。このように、マッチングサービスに限らず、Webサイトやアプリの運営にはサーバーが欠かせません。
サーバーが正しく管理されていないと、「ユーザーの要求に対応できない」「サーバーの急な故障でデータが消失した」などの問題につながる可能性があります。
そのため、マッチングサービスの運営には「サーバーが正しく稼働しているか」「サーバー上の動作で問題が発生していないか」「サーバーに保管されているデータのバックアップをとる」など、サーバーの適切な管理が必要不可欠です。
改善・更新|ユーザー離れを回避する
マッチングサービスでユーザー離れを防ぐには、サービス内容の定期的な改善と更新が必要です。
「○○機能があったほうがよいのでは?」「Webサイトの導線が分かりにくい…」など、実際にマッチングサービスを運営し始めたからこそ発見できる課題があります。問い合わせを通じて直接ユーザーから意見や感想が届くケースも珍しくありません。
このような課題やユーザーの声を無視していると、「利用し続けるには不便…」といった理由でユーザー離れにつながる可能性があります。そのため、サービス内容やWebサイト・アプリの構造などの定期的な改善・更新が重要です。
「どのような機能があると便利か」「導線に問題はないか」など、ユーザー視点で課題を分析し、ユーザー満足度を向上しながらユーザー離れを回避しましょう。
利用状況の監視|サービスの質を向上させる
マッチングサービスは比較的新しいビジネスモデルであるため、いまだ法整備が追いついていません。そのため、マッチングサービスにおいてサービスの質を向上させるには、ユーザーの利用状況を監視することが重要です。
マッチングサービスは主に、企業同士が取引する「BtoBマッチング」、企業と個人が取引する「BtoCマッチング」、個人同士が取引する「CtoCマッチング」の3種類に分かれます。
とくに個人同士が取引するCtoCマッチングは、個人が気軽に利用できる反面、互いの信頼性を担保しにくいため、トラブルが起こりやすい傾向にあります。サービス内でトラブルが増えると、ユーザー離れにもつながりかねません。
監視する内容としては、投稿内容・コメント欄・ユーザー同士のやり取りなどが例として挙げられます。注意してもルールやマナーを守らないユーザーがいた場合は、利用を停止するといった対処が必要です。
ユーザーが安心してサービスを利用できるよう、利用状況の監視を行い、内容に応じて適切な対処を行うことが欠かせません。
集客|利用ユーザーを増やす
利用ユーザーを増やすための集客もマッチングサービスの運営に必要不可欠です。利用ユーザーが多いほど、サービスの充実度も向上します。例えば、フリマサイトで利用ユーザーが増えると同時に、出品される商品や購入者も増え、充実度が高まるといったイメージです。
とくにマッチングサービスを提供し始めてすぐは、集客を行わない限り、サービスを知ってもらう機会が少なく、新規ユーザーの獲得は難しい傾向があります。
マッチングサービスの主な集客方法としては、「SEO対策」「SNS運用」「広告出稿」の3つが挙げられます。それぞれの集客方法が持つメリット・デメリットは以下の通りです。
集客方法を決める際は、どれか1つを選択するというより、「SEO対策を行いつつ一定期間のみ広告を出稿する」というように、状況に応じて並行したり使い分けたりするとよいでしょう。
マッチングサービスの主な収益モデル
マッチングサービスの主な収益モデルとして以下の3つを、具体的なサービス事例を交えながら紹介します。
- 手数料モデル
- サブスクリプションモデル
- 広告収入モデル
手数料モデル
手数料モデルは、マッチングが成立したタイミングで手数料を受け取る収益モデルです。例えば、フリマサービス「メルカリ」では、売買が成立した際に販売価格の10%が販売手数料として差し引かれます。
他にもクラウドソーシングサービス・民泊サービス・求人サイトなど、多くのマッチングサービスで採用されています。
マッチングが成立するまでは利用料金が発生しないため、ユーザーにとっては利用ハードルが低く、ユーザー獲得につながりやすい点がメリットです。その反面、収益が安定しない点や取引単価が低い点がデメリットとして挙げられます。
サブスクリプションモデル
サブスクリプションモデルは、一定期間に対する定額料金を受け取る収益モデルです。例えば、洋服のレンタルサービス「airCloset」では、3つのプランが提供されており、ライトプランでは月額7,800円で毎月3着の洋服を届けてくれます。
他にもECサイト・音楽ストリーミングサービス・動画配信サービスなどのサービスで採用されており、月額料金を提供者側が支払うケースと利用者側が支払うケースのどちらもある点が特徴です。
例えば、ECサイトでは商品を掲載する企業(=提供者側)が、掲載料として月額料金を支払います。一方で、洋服のレンタルサービスでは洋服を借りる人(=利用者側)がサービス利用料として月額料金を支払います。
サブスクリプションモデルは、毎月安定した収益が期待できる点や将来の売上予測がしやすい点などがメリットです。
その反面、「マッチングするかが分からないのに料金が必要なの?」というように、手数料モデルに比べると利用ハードルが高いというデメリットがあります。
広告収入モデル
広告収入モデルは、マッチングサービス内に広告枠を設け、広告を出稿する企業から広告費を受け取る収益モデルです。
SNSでよく採用されており、例えば「YouTube」では、動画が始まる前や途中で広告が配信されています。ただし、YouTubeは広告収入だけでなく、有料会員プラン「YouTubeプレミアム」を提供するサブスクリプションモデルも採用しています。
このように、いくつかの収益モデルを並行して採用していることも珍しくありません。
広告収入モデルは、提供者側・利用者側のどちらのユーザーも利用料金が発生しないため、利用ハードルが低く、ユーザーを獲得しやすい点がメリットです。
しかし、マッチングサービスの知名度が低かったりユーザー数が少ないと、「広告を出稿しても意味がない」と、なかなか広告主が見つからないケースもあります。
また、広告収入だけで運営するには、莫大なアクセス数が必要となるため、規模の小さいマッチングサービスには向かない収益モデルです。
自社開発も可!マッチングサービスの開発方法3選
マッチングサービスの開発方法には主に以下の3つが挙げられます。
- スクラッチ開発
- パッケージ開発
- ノーコード開発
各開発方法の特徴について詳しくみていきましょう。
スクラッチ開発|最もカスタマイズ性が高い
スクラッチ開発は、プログラミング言語を用いてコーディングを行い、ゼロから開発する方法です。最もカスタマイズ性が高く、独自の機能を搭載したい場合や大規模なマッチングサービスを構築したい場合などに向いています。
ただし、開発に莫大なコストと長期にわたる開発期間が必要です。開発には専門知識を要するため、IT人材の確保も欠かせません。そのため、「開発にコストや時間をかけたくない」「IT人材の確保から始めるのは…」といった場合は他の開発方法を検討しましょう。
パッケージ開発|ベース作りを効率化する
パッケージ開発は、マッチングサービスのベース部分に既存のパッケージを活用する方法です。すでに完成されたベースを活用するため、ゼロから構築する必要がなく、スクラッチ開発に比べて効率的な開発が実現します。
ただし、ベース以外の部分で機能を追加したり独自のデザインへ変更したりする場合は、スクラッチ開発と同様に専門知識が必要です。そのため、IT人材が確保できていない企業にとっては難易度が高い傾向にあります。
ノーコード開発|自社開発が実現する!
ノーコード開発は、ノーコードツールを通じて提供されている既存機能を、ドラッグ&ドロップといった直感的な操作のみで組み合わせながら構築する方法です。専門知識不要のため、IT人材の確保も必要なく、完全自社開発も実現します。
デメリットとしては、スクラッチ開発やパッケージ開発に比べてカスタマイズ性に劣る点が挙げられ、独自機能を搭載する場合や大規模な開発には向いていません。
ただし、ノーコード開発は低コストかつ短期間での開発が可能なことから、本格的な開発だけでなくPoCやMVP開発にも効果的です。
「低コストかつ短期間で開発したい」「とりあえず小規模のサービスを構築したい」「本格的な開発に向けて試験的な開発がしたい」といった場合は、ノーコード開発を検討してみてください。
マッチングサービスの開発・運営にかかるコスト
マッチングサービスを立ち上げる際は、開発費と運営費の2つを予算に含める必要があります。それぞれの費用相場について詳しくみていきましょう。
マッチングサービスの開発時にかかる費用相場
マッチングサービスの開発費は、採用する開発方法によって異なります。開発方法別の費用相場を表にまとめました。
マッチングサービスの運営時にかかる費用相場
マッチングサービスの運営では、「サーバーの維持」「システムの保守」「システムの改善・更新」「広告」などのコストが発生します。項目別の費用相場を表にまとめました。
システム保守費はサービスの規模によって異なるため、月あたりの費用が開発費の5%程度といわれています。例えば、開発費が1000万円だった場合、保守費は月あたり50万円程度で、年間に換算すると600万円の保守費が必要です。
ただし、ノーコードツールを用いる場合、サーバーを自分で管理する必要がなく上記のような費用はかかりません。もしサーバーの管理やシステム保守費を抑えてマッチングサービスを作りたいという場合は、弊社が提供するノーコードツールをご検討ください。
まとめ
マッチングサービスの運営を成功させるには、「サーバーの管理」「改善・更新」「利用状況の監視」「集客」などを行うことが大切です。開発だけでなく運営にもコストが発生するため、長期的な運営を見据えた資金調達や予算決めをしなければなりません。
また、開発費は採用する開発方法によって大きく変動します。できる限りコストを抑えたい場合は、ノーコード開発がおすすめです。構築したいマッチングサービスの内容や規模と照らし合わせながら、最適な開発方法・運営方法を見極めましょう。