シェアリングエコノミーとは、個人が所有するモノや空間などを提供したり共有したりするサービスのことです。発祥はアメリカといわれており、現在では日本でも普及しつつあります。
「これからシェアリングエコノミーを立ち上げるにあたって海外事例を知りたい」
「海外でどんなシェアリングエコノミーが流行っているのかを知りたい」
上記のような方向けに、本記事では海外のシェアリングエコノミーサービスを10個紹介します。
海外のシェアリングエコノミー事例10選
シェアリングエコノミーの先駆けとなったサービスには、AirbnbやUberなどが挙げられますが、現在では民泊や配車サービスにとどまらず、さまざまな分野でシェアリングエコノミーが提供されています。
ここでは、海外で有名なシェアリングエコノミーを10個紹介します。それぞれのサービスについて1つずつ詳しくみていきましょう。
Poshmark|ファッションアイテムメインのフリマサービス
出典:Poshmark, Inc.「Poshmark」
Poshmarkは、ファッションアイテムをメインに、インテリア雑貨や美容器具などを売買できるフリマサービスです。出品されている商品にはハイブランドのアイテムも多く、ブランド別で商品がまとめられているため、希望の商品を探しやすいという特徴があります。
価格が500ドル以上する高級な商品に関しては、事業者が認証を行うことでアイテムが偽物でないかを精査しているため、ユーザーは安心して利用できます。出品は最短1分程度で完了するため、その手軽さからも人気のサービスです。
Spinlister|個人が所有する自転車のレンタルサービス
出典:Spinlister, Inc.「Spinlister」
Spinlisterは、個人が所有する自転車を貸し借りできるサービスです。自転車版Airbnbともいわれています。
Spinlisterの特徴は、「旅行先で自転車を使いたい」「今日だけ自転車を使いたい」といった人が、必要な場所・時間で自転車を貸してくれる人を簡単に探せる点です。1時間・1日・1週間など、貸し借りする単位も柔軟に設定できます。
レンタルショップを通じて借りるより格安で借りられるため、お金を節約できるというメリットもあります。
Rent The Runway|女性向けの洋服レンタルサービス
出典:Rent the Runway, Inc.「Rent the Runway」
Rent The Runwayは、デザイナーズブランドの洋服をメインに取り扱う女性向けの洋服レンタルサービスです。
シェアリングエコノミーの多くはインターネットを介して取引を行いますが、Rent The Runwayはオンラインだけでなく実店舗でもサービスを提供しています。
日本の似たようなサービスにはairClosetが挙げられますが、Rent The Runwayでは普段使いできるシャツやジャケットをはじめ、パーティードレスやジュエリーなど、幅広いアイテムを取り揃えている点が特徴です。
基本的には月額制のサブスクリプションサービスとして提供されていますが、「1度だけでよい」「1度試してから契約を考えたい」というユーザー向けに、ワンタイムレンタルと呼ばれる1度限りのレンタルサービスも提供しています。
Uber|個人ドライバーによる配車サービス
出典:Uber Technologies Inc.「運転して収入を獲得、または今すぐ配車をリクエスト | Uber Japan」
Uberは、個人ドライバーによる配車サービスです。利用者は事前にクレジットカードを登録し行き先を指定すれば、運転手とお金をやり取りすることなく移動できるため、法外な料金を請求される心配がないという魅力があります。
ほかにも、深夜帯でもドライバーを見つけやすい点、大型車や高級車の配車もできる点などが、個人ドライバーを活用するUberならではの特徴です。
Lyft|同じ行き先の同乗者を募る相乗りサービス
出典:Lyft, Inc.「Lyft」
Lyftは、個人が所有する自動車を使って、同じ行き先の利用者と相乗りして移動するサービスです。
相乗りサービスといっても、機能はUberのような配車サービスとほとんど変わりません。そのため、利用者は事前に支払情報を登録しておき、あとは行き先を入力しドライバーにピックアップしてもらうのを待つのみです。
複数人をピックアップしながら目的地に向かうため、人数や経路によっては時間がかかることがある反面、比較的安い料金で移動できるという特徴があります。
Airbnb|個人が所有する物件を貸し借りする民泊サービス
出典:Airbnb, Inc.「Airbnb」
Airbnbは、個人が所有する空き物件や空き部屋を宿泊施設として貸し借りできる民泊サービスです。シェアリングエコノミーの先駆けとなったサービスのひとつで、現在日本でも提供されています。
Airbnbの特徴としては以下3点が挙げられます。
- 格安の料金で宿泊できる
- 一般的なホテルにはない一軒家や別荘といった物件に宿泊できる
- 一般的にホテルが少ないエリアでも宿泊施設が見つかる
上記のように、一般的なホテルでは満たせないニーズを満たしている点や、物件の貸し借りがすべてインターネット上で完結するという手軽さからも、利用者は現在も拡大傾向にあります。
Vrbo|一軒家や別荘がメインの民泊サービス
出典:HomeAway.com, Inc.「Vrbo | 民泊予約」
Vrboは、一軒家や別荘の貸し借りをメインとする民泊サービスです。もともと「Home Away」というサービス名で提供されていました。
競合サービスにAirbnbが挙げられますが、Airbnbのように空き部屋を1室貸し出すという形式はなく、一軒家や別荘を丸ごと貸し出す形式がほとんどという違いがあります。
Vrboは日本でも提供されており、現在では世界200万軒以上の宿泊施設を取り扱っています。
DogVacay|愛犬の預け先とを探す飼い主と預かり手をつなぐサービス
出典:Rover, Inc.「DogVacay」
DogVacayは、愛犬を連れて行けない旅行の際に、愛犬の預かり手を探せるサービスです。
一般的なペットホテルの場合、預けている大半の時間を愛犬はゲージのなかで過ごすことになります。一方のDogVacayは、愛犬家のいる一般家庭の部屋のなかで世話してもらえる点が特徴です。
日本でも「DogHuggy」や「PadHolic」などの似たようなサービスが提供されており、今後の普及が期待されています。
fiverr|世界最大級のスキルシェアサービス
出典:Fiverr International Ltd.「Fiverr」
fiverrは、世界160か国以上に対応している世界最大級のスキルシェアサービスです。個人が保有するスキルやサービス・商品を5ドル~で売買でき、具体的に売買できる仕事内容としては記事執筆・デザイン・動画編集・翻訳・プログラミングなどが挙げられます。
日本では「CrowdWorks」「ランサーズ」「ココナラ」などのクラウドソーシングサービスと似たサービスです。
2023年第3四半期の収益が9250万ドル(日本円で約134億9380万円)を超えており、前年度の収益から12.1%増加するなど、人気の高まりが続いています。
そのため、スキルの提供者(=売り手)にとっては、自分のスキルや商品・サービスを提示し案件を待つのみのため、自分から応募する手間がかからないというメリットがあります。
99designs|デザイン特化型のクラウドソーシングサービス
出典:99Designs Pty Ltd「99designs」
99designsは、ロゴやWebサイトなどのデザイン業務に特化したクラウドソーシングサービスです。デザイン特化型のクラウドソーシングサービスとしては世界最大級で、90以上のデザインカテゴリーに対応するデザイナーが登録しています。
99designsではコンペ型の案件を数多く取り扱っており、採用したいデザインがなければ全額返金保証制度を提供しているため、無駄なコストが発生しません。
デザイナーとして登録するには審査があるため、初心者や経験の浅いデザイナーが少なく、99designsならではの魅力として、レベルの高いデザイナーが多い点も挙げられます。
世界と日本におけるシェアリングエコノミーの市場規模
現在、シェアリングエコノミーの市場規模は、日本を含む世界で拡大傾向にあります。
シェアリングエコノミー協会の調査によると、国内の市場規模は2022年度時点で2兆6158億円を記録し、2032年度には最大15兆1165億円まで拡大することが分かりました。
世界的なシェアリングエコノミーの市場規模は、2013年時点で約150億ドル(日本円で約2兆1773億円)でしたが、2025年には約3350億ドル(日本円で約48兆6282億円)になるといわれるほど成長が期待されています。
出典:一般社団法人シェアリングエコノミー協会「【シェアリングエコノミー市場調査 2022年版】市場規模は過去最高の「2兆6,158億円」を記録し、2032年度には「15兆1,165億円」に拡大予測。」
日本におけるシェアリングエコノミーの今後
日本でも普及が進むシェアリングエコノミーですが、まだまだ法律や規制によって提供されていないサービスも多く存在します。
例えば、個人ドライバーによる配車サービスですが、日本では資格を持っていないドライバーが、個人の所有する自動車で送迎し料金をもらうという行為は、「道路運送法」に抵触する可能性があるとして普及には至っていません。
これまでにも民泊サービスが普及するにあたって、「民泊が旅館業になるのかならないのか」「営業行為になる場合は確認や申請が必要ではないか」といった議論が行われてきました。
このように、浸透しつつあるシェアリングエコノミーですが、分野によっては法律や規制によってサービスを提供できない場合があります。
しかし、世界でシェアリングエコノミーが急激に成長・展開する企業が増えていることから、日本でもシェアリングエコノミーに関する法律や規制が整備されていくのではないかと予測されています。
まとめ
シェアリングエコノミーというサービス形態は、もともとアメリカで生まれ、先駆けとなったサービスにはUberやAirbnbなどが挙げられます。
現在ではさまざまな分野でシェアリングエコノミーが提供されており、日本でもシェアリングエコノミーを提供する企業が増えてきました。そのため、シェアリングエコノミーへの参入はまだまだ遅くありません。
これからシェアリングエコノミーの立ち上げを検討している方は、今回紹介した海外事例をぜひ参考にしてみてください。