ノーコードツールとは?目的別おすすめツール15選を徹底比較!

ノーコードツールとは

専門知識がなくてもアプリ開発やWebサイト制作ができるとして注目を集めているのが「ノーコードツール」です。しかし、具体的なノーコードツールの活用方法やコスト感が分からず、導入を迷っている担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではノーコードツールを活用するメリットや選び方、目的別のおすすめツール15選を紹介していきます。

目次

ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは、ソースコードを記述することなく、ドラック&ドロップといった直感的な操作のみで、アプリ開発やWebサイト制作を可能とするツールのことです。

本来、アプリ開発やWebサイト制作を行う際には、プログラミング言語をはじめとする専門知識が必要なため、エンジニアやプログラマーが介入しなければなりませんでした。しかし、ノーコードツールを活用すれば、専門知識がなくてもアプリ開発・Webサイト制作が可能なため、エンジニアやプログラマーに限らず誰でも簡単にシステム開発を行えます。

ノーコードツールが普及している理由

ノーコードツールが普及している理由のひとつが「エンジニア不足」です。

みずほ情報総研株式会社が2019年に発表した『-IT人材需給に関する調査-調査報告書』では、今後IT需要が拡大する一方で、2030年にはIT人材が最大約79万人不足する可能性があると述べられています。

エンジニアが確保できない場合、「システム開発を外部に委託する」「社内でエンジニアを育成する」などの方法が挙げられますが、コストやリソースの面で実現できない企業も多いでしょう。

そのため、専門知識がなくても社内でシステム開発を行える方法として、ノーコードツールの活用が普及しているといえます。

ノーコードとローコードの違い

ノーコードとローコードの違い

ノーコードとローコードの違いはソースコードの記述量にあります。ノーコードは基本的に、ソースコードを記述する必要がないため、専門知識が必要なく、開発にかかる期間も短い点が特徴です。

一方のローコードは、必要最低限のソースコードの記述が必要となるため、プログラミング言語をはじめとする専門知識が必要で、ノーコードに比べると開発にかかる期間も長くなる傾向があります。

しかし、ソースコードの記述によって機能を自由に追加できるため、ノーコードよりローコードのほうがカスタマイズ性や自由度・汎用性が高いという傾向があります。

ノーコードツールを導入する5つのメリット

ノーコードツールのメリット

ノーコードツールを導入するメリットは大きく分けて以下の5つです。1つずつ詳しくみていきましょう。

  • 専門知識が必要ない
  • 開発コストを抑えられる
  • 比較的短期間での開発が実現する
  • PoC(概念実証)に向いている
  • MVP開発しやすい

専門知識が必要ない

ノーコードツール最大のメリットは、専門知識が必要ない点です。基本的にノーコードツールでは、ドラック&ドロップといった直感的な操作のみで、パーツを組み合わせたり機能を追加したりするため、ソースコードを記述する必要がありません。

社内にエンジニアを確保したり外部のエンジニアに委託したりすることなく、社内でシステム開発を行え流転が最大の魅力と言えます。

開発コストを抑えられる

ノーコードツールを活用して、社内でシステム開発を行うことができれば、開発コスト削減にもつながります。

本来システム開発をするには専門知識を必要とするため、エンジニアを確保・育成したり外部のエンジニアに委託したりするなど、人件費や外注費がかかってしまいます。

しかし、ノーコードツールを活用すれば、上記のような人件費や外注費を削減できるため、コストを抑えたシステム開発が実現するでしょう。

また運用保守といった点から見ても、スクラッチ開発に比べコストを抑えられる傾向にあります。

比較的短期間で開発が実現する

ノーコードツールではソースコードを記述する必要がないうえに、専門知識・スキルを習得する時間も必要ないため、比較的短期間での開発が実現します。アプリの種類によっては最短1日でリリースすることも可能です。

短期間での開発が可能となれば、競合より先にシステムをリリースしたり、「開発途中でニーズが変化してしまった」といった問題の回避にもつながります。そのため、新規事業を始める際もノーコードツールの活用が最適です。

PoC(概念実証)に向いている

PoC(概念実証)とは、アイデア・技術が実現するかまたは効果があるかを検証することです。

例えば、新システム導入の際、はじめから完全なシステムを開発するには時間とコストがかかるうえ、導入後に効果が得られないかもしれないというリスクがあります。しかし、事前にモデルタイプでPoCを実施すれば、導入後の効果の有無や具体的な改善点を検証することが可能です。

そして、このPoCと相性がよいのがノーコードツールです。ノーコードツールには専門知識不要・低コスト・短期間での開発といった特徴があります。ノーコードツールを活用することで、スピーディーにモデルタイプを制作でき、リスクを最小限に抑えて効果検証することが可能です。

MVP開発しやすい

MVPとは、必要最低限の機能を搭載したプロダクトのことで、「試作品」という意味があります。

スマートフォンを例に挙げると、通話機能のみを搭載したスマートフォンがMVPです。通話機能を搭載したスマートフォンをリリースしたとき、ユーザーからは「カメラ機能が欲しい」「メール機能が欲しい」などのさまざまな意見が寄せられるでしょう。

その後、ユーザーの意見をもとに機能を追加していき、ユーザーが本当に欲しいものを制作することが可能となります。このように、よりよい商品・サービスを開発するには、MVP開発することが大切です。

ノーコードツールはMVP開発がしやすいという特徴があります。MVP開発はあくまでも顧客の反応を伺うために行われるため、多くの時間やコストは割けません。そのため、専門知識不要・低コスト・短期間での開発が可能なノーコードツールは最適なツールと言えるでしょう。

【目的別】おすすめのノーコードツール15選を比較!

以下4つの目的別でおすすめのノーコードツール15選を紹介していきます。

  • アプリ開発向け
  • Webサイト制作向け
  • ECサイト制作向け
  • 業務効率化向け

【アプリ開発向け】おすすめノーコードツール4選

アプリ開発向けのおすすめノーコードツールを4つ紹介します。

Bubble|汎用性の高さが強み

ノーコードツール_bubble

出典:Bubble Group, Inc.「Bubble

Bubbleは、世界でのユーザー数300万人を超えるノーコードツールで、汎用性の高さが魅力です。アプリ開発のみならず、Webサイト制作やECサイト制作まで、幅広く対応しています。

豊富な機能パーツからドラック&ドロップで組み合わせるのみで、質の高いアプリ開発を行えるうえ、無料プランが提供されているため、操作感を試してから有料導入することも可能です。

日本語には対応していないものの、日本語による解説情報が多数出回っていることから、IT初心者の方でも簡単に使いこなせるため、難易度は比較的低いといえます。

Adalo|幅広いアプリ開発に対応

ノーコードツール_adalo

出典:Adalo, Inc.「Adalo

Adaloは、Webアプリ・ネイティブアプリ・スマホアプリなど、幅広いアプリ開発に対応可能なノーコードツールです。25種類以上の機能パーツからドラッグ&ドロップするのみで、アプリ開発を行えます。

App StoreやGoogle Playにアプリをリリースする機能も搭載されているため、アプリの開発からリリースまでをスムーズに行える点も魅力です。無料プランも提供されており、有料プランは$36/月~となっています。

Glide|Googleスプレッドシートをインポート

ノーコードツール_glide

出典:Glide「Glide Apps

Glideは、Googleスプレッドシートをインポートするのみで、自動でアプリを生成してくれるノーコードツールです。日本語には対応していないものの、Googleスプレッドシートなどの使い慣れた環境で開発を進められるため、初心者の方でも簡単に操作できます。

無料プランが提供されているため、お試し利用も可能で、有料プランは$25/月~で提供されています。

ただし、Glideはスマホ専用のネイティブアプリの開発にのみ対応しているため、汎用性が低く、利用できる機能も限られている点がデメリットです。

APPBOX|実績豊富な国産ツール

ノーコードツール_appbox

出典:株式会社アイリッジ「APPBOXでアプリ開発、運用、グロースまでを実現

APPBOXは、これまで300アプリ以上に導入されてきた国産のノーコードツールです。海外製品の多いノーコードツールですが、APPBOXは完全日本語対応のため、「言語が分からない」といった弊害がなく、問い合わせやサポートを受ける際も安心できます。

アプリに必要なデザイン・機能がパッケージで提供されているものの、既存アプリに機能を追加することも可能なため、アプリを新たに作り替える必要がなく、拡張性が高い点も魅力です。パッケージアプリは10万円/月~で提供されており、最短1か月で導入できます。

【Webサイト制作向け】おすすめノーコードツール4選

Webサイト制作向けのおすすめノーコードツールを4つ紹介します。

STUDIO|テンプレートに縛られないデザイン

ノーコードツール_studio

出典:STUDIO Inc.「STUDIO | Web制作を、ノーコードで。

STUDIOは、以下のようにさまざまなWebサイト制作に対応するノーコードツールです。

  • コーポレートサイト
  • サービスサイト
  • ブログ
  • メディア
  • イベントページ
  • 店舗・商品サイト
  • ポートフォリオサイト

テンプレートに縛られることなく、ノーコードで0からデザインできるため、アイデアを細かく反映できます。サイトマップ生成やタグ設定も簡単に編集できるため、SEOに最適な設定も可能です。

基本機能であれば無料で利用でき、有料プランは980円(税込)/月~で提供されています。

ペライチ|ホームページ公開まで3ステップ

ノーコードツール_peraichi

出典:株式会社ペライチ「ペライチ

ペライチは、たったの3ステップでホームページを公開できるノーコードツールです。数百種類ある豊富なテンプレートからデザインを選択し、文章・画像を挿入できたら、公開ボタンをクリックするのみで質の高いホームページを公開できます。

制作したWebサイトの更新や変更も、パソコンやスマホから簡単かつ直感的な操作のみで行えるため、スキマ時間も活用できます。無料プランも提供されており、有料プランは1,465円(税込)/月~となっています。

Webflow|高度なWebサイトを制作可能

ノーコードツール_webflow

出典:Webflow, Inc.「Webflow

Webflowは、一部のバックエンドやデータベースの構築にも対応可能なノーコードツールです。Webサイト制作向けのノーコードツールとしては汎用性が高く、プログラミング知識があればソースコードを自ら書き換えることもできます。

もちろん、ノーコードでもWebサイトを制作することは可能ですが、自らソースコードを書き換えられるという点では、プログラミング知識を持っている上級者におすすめのツールです。

Webflowも無料プランが提供されており、有料プランは年払いで$14/月〜となっています。

Wix ADI|AIを活用したWebサイト制作

ノーコードツール_wix

出典:Wix.com, Inc「Wix.com

Wix ADIは、業種・職種・好みのデザインなど、いくつかの質問に答えるだけで、AIが最適なWebサイトデザインを提案してくれるノーコードツールです。

Webサイトの色味やデザイン修正もAIが自動で適用・認識するため、初心者の方でも簡単に質の高いWebサイトを制作できます。もちろん、自分で編集することも可能なため、大枠はAIに任せて、細かい部分は自分で編集するといったことも可能です。

基本機能であれば無料で利用でき、有料プランは550円(税込)/月~となっています。

【ECサイト制作向け】おすすめノーコードツール2選

ECサイト制作向けのおすすめノーコードツールを2つ紹介します。

Shopify|優れた拡張性と高いデザイン性

ノーコードツール_shopify

出典:Shopify Japan 株式会社「Shopify

Shopifyは、世界で数百万以上の店舗で導入されているECサイト制作向けのノーコードツールです。ECサイトには欠かせないEコマース機能やPOS機能が提供されており、機能の拡張性やデザイン性の高さが魅力のひとつです。

豊富なテンプレートからデザインを自由に選べるため、好みのデザインのECサイトを制作できるでしょう。ECサイト制作が可能なプランとしては、$33/月~で提供されています。

BASE|AIアシスタント機能搭載

ノーコードツール_base

出典:BASE株式会社「BASE

BASEは、AIアシスタント機能を搭載したECサイト制作向けのノーコードツールです。ECサイトの開設手続きはわずか30秒、販売開始までは30分というスピード感でECサイトを公開できます。

これまでBASEで開設されたECサイトは、200万にものぼり、実績が豊富な点も魅力です。スタンダードプランであれば、利用料金は商品が売れた際の手数料のみで、初期費用・月額費用は発生しません。

【業務効率化向け】おすすめノーコードツール5選

業務効率化向けのおすすめノーコードツールを5つ紹介します。

Zapier|複雑な業務の自動化にも対応

ノーコードツール_zapier

出典:Zapier Inc.「Zapier

Zapierは、180万以上の企業で導入されているノーコードツールです。複数のサービスやツールを連携させることで、業務の自動化を実現します。

例えば、Googleフォームに問い合わせがあった際、Gmailでユーザーに対して受付完了メールを送付、問い合わせ内容をGoogleスプレッドシートに記入、Slackで担当者に通知など、一連の業務をすべて自動で行えるようになります。

日本語には対応していないものの、直感的な操作で利用できるため、初心者の方でも簡単に業務の自動化が可能です。無料プランも提供されており、有料プランは3,136円(税込)/月~となっています。

Make|約6,000もの豊富なテンプレート

ノーコードツール_make

出典:Celonis, Inc.「Make

Makeは、約6,000もの豊富なテンプレートを無料で利用できるノーコードツールです。

テンプレートには、連携させるツールと自動化できる業務内容が記載されています。そのため、好みのテンプレートを選択するのみで、複数のツールを連携させ、業務を自動化することが可能です。

無料プランも提供されており、有料プランは$9/月~となっています。

Airtable|GoogleスプレッドシートやExcelのような操作感

ノーコードツール_airtable

出典:Formagrid, Inc.「Airtable

Airtableは、GoogleスプレッドシートやExcelと似たような操作で利用できるノーコードツールです。シート別のデータを連携させるリレーション機能や異なるシートにあるデータの紐づけなど、データベース管理に特化しています。

GoogleスプレッドシートやExcelには劣りますが、関数を使った表計算も利用可能です。無料プランも提供されており、有料プランは$10/月~となっています。

Notion|複数の業務を1か所に集約

ノーコードツール_notion

出典:Notion Labs, Inc.「Wiki、ドキュメント、プロジェクトがつながるコネクテッドワークスペース | Notion (ノーション)

Notionは、スタートアップ企業から大企業まで、幅広い企業で利用されているノーコードツールです。ナレッジ・ドキュメント・プロジェクトなど、さまざまな管理業務を1か所に集約できるため、複数のツールを横断して利用する必要がなくなります。

何千ものテンプレートが提供されているうえ、日本語にも対応しているため、初心者の方でも迷うことなく業務効率化に役立てられるでしょう。無料プランも提供されており、有料プランは$8/月~です。

Octoparse|Webスクレイピングが強み

ノーコードツール_octoparse

出典:Octopus Data Inc.「Octoparse

Octoparseは、誰でも簡単にWebスクレイピングを行えるノーコードツールです。Webスクレイピングとは、Webサイトから特定の情報を自動抽出する機能・技術を指します。

Octoparseでは、コーディングすることなく、自社に適したWebスクレイパーを構築することが可能です。そのうえ、搭載されているAIを活用すれば、必要と思われる情報を検出・提案してくれるため、効率的なWebスクレイパーの構築が期待できます。

無料プランも提供されており、有料プランは$75/月~です。

ノーコードツールの選び方・比較ポイント

ノーコードツールの選び方・比較

ノーコードツールの選び方・比較ポイントとしては、以下の4つが挙げられます。1つずつ詳しくみていきましょう。

  • 目的と機能が合致しているか
  • 操作性はよいか
  • 利用料金は妥当か
  • サポート体制が充実しているか

目的と機能が合致しているか

ノーコードツールには、大きく分けて「アプリ開発向け」「Webサイト制作向け」「ECサイト向け」「業務効率化向け」の4タイプがあります。

また、アプリ開発やWebサイト制作では、本格的な制作以外にも、PoCやMVP開発を目的にノーコードツールを活用するケースもあるでしょう。

そのため、自社がどのような目的でノーコードツールを導入するかを明確にしたうえで、搭載されている機能や拡張性を確認し、目的と機能が合致するものを導入することが大切です。

操作性はよいか

基本的にノーコードツールは専門知識がなくても利用できるように設計されているため、ほとんどのツールがドラッグ&ドロップといった簡単な操作で開発を行えます。

しかし、デザイン的に操作が難しかったり、日本語に対応しておらず分かりにくかったりするなど、なかには操作が難しく感じるツールもあるでしょう。

短期間でシステム開発をするために導入したノーコードツールであっても、操作性が悪ければ、実現までには時間がかかってしまいます。

そのため、無料トライアルや無料プランが提供されている場合は、積極的に活用し、事前にツールの操作感を確認してから有料導入に移行することがおすすめです。

利用料金は妥当か

小規模での利用であれば、無料プランでもシステム開発が実現するケースがあります。しかし、有料プランを導入する場合は、搭載されている機能や利用できるユーザー数が利用料金と見合っているかを確認することが大切です。

ツールの種類によって利用料金が異なるうえ、同時に月額制か従量制かといった料金体系も異なります。そのため、複数のツールで利用料金や料金体系を比較し、自社に最適なものを導入しなければなりません。

サポート体制が充実しているか

専門知識不要で利用できるノーコードツールでも、導入後に不明点や不具合が生じる可能性があります。そのため、「導入後はどのような問い合わせ方法があるか」「活用マニュアルが提供されているか」など、サポート体制が充実しているかを確認することが大切です。

とくに、ノーコードツールは海外製品が多いため、サポートが日本語に対応していないケースも少なくありません。そのため、「日本語でのサポートを受けられるか」「社内で英語対応できる人材がいるか」なども確認しておくとよいでしょう。

また、いくらノーコードは簡単にシステムができるといっても、作りたいサービスによっては要件が複雑化するケースがあります。そのため、要件の整理や開発するうえで考えるべき項目などをしっかり教えてくれる会社を選ぶのも大切なポイントです。

まとめ

ノーコードツールは、ソースコードを記述する必要がないため、専門知識不要で誰でも簡単にシステム開発を行えるツールです。開発コスト削減や短期間での開発が可能なうえ、PoCやMVP開発にも役立つとして注目を集めています。

ただし、ノーコードツールにはアプリ開発・Webサイト制作・ECサイト制作・業務効率化など、さまざまな目的・得意分野があるため、自社の目的に最適なツールを導入することが大切です。

今回紹介したおすすめツールを比較しながら、自社に最適なツールの導入を検討してみてください。

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