【ノーコードを活用したPoC】新規事業を成功へ導く方法とコツ

ノーコードを使ったPoC

新規事業に欠かせないPoCにノーコードを活用する企業は増えつつあります。しかし、ノーコードで実際にどのようなことができるか、なぜPoCにノーコードを活用したほうがよいかなど、さまざまな疑問を抱えている方は少なくありません。そこで、本記事ではノーコードやPoCの概要をはじめ、ノーコードを活用したPoCの進め方やポイントまで、詳しく解説していきます。

目次

ノーコードとは|専門知識不要で開発できる!

ノーコードとは、ソースコードを記述することなくアプリやシステムを開発できる手法です。

通常、アプリやシステムの開発にはソースコードを記述する必要がありますが、ノーコード開発であればソースコードの記述が不要なため、プログラミング言語やコーディングなどの専門知識が必要なく、比較的短期間での開発が実現します。

また、ノーコード開発に特化したノーコードツールでは、基本的にドラッグ&ドロップといった直感的な操作で開発できるため、社内にエンジニアを確保する必要もありません

このように、非エンジニアがIT人材として活躍できる機会を創出するという背景からも、ノーコード開発やノーコードツールに注目が集まっています。

ノーコードでできること

ノーコードでできることとしては以下の5つが挙げられます。

  • アプリ開発
  • Webサービス開発
  • Webサイト制作
  • 業務効率化
  • PoCやMVP開発

アプリやWebサービス開発では、目的に合わせた機能を搭載でき、比較的クオリティの高いプロダクト開発が可能です。LPやホームページをはじめとするWebサイト制作にもノーコードツールが活用できます。

また、業務効率化に役立つ社内システムの開発をはじめ、新規事業立ち上げ時に欠かせないPoCやMVP開発にも効果的です。

PoCとは|新規事業には欠かせない概念検証!

PoCとは「Proof of Concept(概念実証)」の略で、商品・サービスを開発するにあたって、新たなアイデアや技術の実現性を検証する手法です。PoCという概念はIT業界だけでなく、医療業界・航空業界・エンタメ業界などの幅広い業界で用いられます。

新規事業を立ち上げる際、会議や書類検討だけでは新たなアイデア・技術の実現性を図ることは困難です。

しかし、PoCでは試作品を制作し、実際のユーザーや関係者に利用してもらったうえで、感想や意見を集めます。そのため、会議や書類検討だけでは分からなかった実現性が明確化され、本格的な開発・運用における課題や改善点が発見できます

このように、PoCを実施することで、よりクオリティの高いプロダクト開発が可能になるため、新規事業の立ち上げ時にはPoCの実施が欠かせません

PoCとMVP開発の違い

PoCとMVP開発の違い

MVPとは「Minimum Viable Product」の略で、必要最小限の機能を搭載した商品・サービスのことです。市場へ投入する最初のプロダクトであり、市場の反応をみながらMVPに改善を繰り返していきます。

例えば、「携帯電話」には通話・メール・スケジュール・カメラなど多くの機能が搭載されていますが、「通話機能のみが搭載された携帯電話」が携帯電話のMVPです。

このように、市場へ投入する前にMVPを開発し顧客の反応をみることで、これから開発しようとしている商品・サービスが「顧客のニーズを満たすか」「よりよいものにするにはどうすればよいか」などを把握できます。

PoCもMVP開発もプロダクト開発の初期段階に必要とされますが、PoCとMVP開発は全く別のものでなのです。

PoCにノーコードがおすすめの理由・メリット

PoCにノーコードを活用するメリット

PoCの実施にノーコードの活用がおすすめの理由を、メリットと合わせて3つ紹介します。

開発コストを抑えられる

ノーコードツールを活用すれば、非エンジニアでもプロダクト開発を行えるため、社内にエンジニアを確保するといった人件費の削減につながります。

また、ゼロから開発を行うスクラッチ開発は長い開発期間が必要なうえ、商品・サービスの種類や搭載する機能数によって異なりますが、開発に数百万円程度かかることも珍しくありません。

しかし、社内でノーコード開発を行う場合にかかる費用相場は、約20~80万円といわれており、スクラッチ開発と比較して開発コストを大幅に抑えられます。

PoC実施時に必要なものはあくまでも試作品であり、本格的な開発ほど大がかりな開発は必要ありません。そのため、PoCには、開発コストを最小限に抑えられるノーコード開発が最適です。

新規事業におけるリスクを軽減できる

試作品の検証を行うPoCに多大なコストや時間をかけたとしても、必ずしも本格的な開発につながるかは分かりません。PoCによって本格的な開発を断念するとなれば、かかったコストや時間が無駄になってしまいます。

しかし、PoCにノーコードを活用すれば、試作品の制作にかかるコストや時間を削減・短縮できるため、無駄になりかねないコストや時間を最小限に抑え、検証時のリスクを軽減できます。

対応力向上につながる

新規事業を立ち上げる際のPoCでは、ニーズの変化や競合争いといった面からスピード感が重要視されるうえ、開発途中で搭載させたい機能や仕様に変更が生じることも多々あります。

ソースコードをいちから記述して開発を行っている場合、少しの仕様変更でもソースコードには大幅な変更・修正が必要になるケースが多く、時間がかかってしまいます。

しかし、ノーコード開発であればソースコードを書き換えることなく簡単な操作で変更・修正を行えるため、検証結果をもとにした改善を反映しやすく、スピード感のある開発にも対応可能です。

大幅な修正が生じた場合でも時間やコストをかけずに修正できるため、対応力向上につながります。

4STEP|ノーコードを活用したPoCの進め方

ノーコードを活用したPoCの進め方

ノーコードを活用してPoCを進める場合、以下の手順で進めていきます。

  1. PoCを実施する目的を明確にする
  2. 検証する内容を決定する
  3. 検証を実施する
  4. 検証結果をもとに改善する

1STEPごとに詳しく解説していきます。

STEP1|PoCを実施する目的を明確にする

まずはPoCを実施する目的を明確にしましょう。「PoCによってどのような結果を得たいか」「PoCの結果をどのような商品・サービスに活用したいか」などを具体的に検討します。

例えば、ITツールの導入が業務効率化にどの程度の効果を発揮するかPoCで検証する場合、具体的な数値で目標を定めておくとよいでしょう。「生産性○○%アップ」という具体的な数値があれば、結果と比較しやすくなります。

このように、効果が出ているかを判断しやすくするため、検証を進めるうえでの方向性やコンセプトにぶれが生じにくくするためにも、PoC実施の目的や目標を明確化することが大切です。

STEP2|検証する内容を決定する

目的が明確になったら、PoCで実際に何をどのように検証するか、内容を決めていきます。具体的には、インターネット環境をはじめとする使用環境やハードウェア・ソフトウェアといった動作環境、PoC実施に必要な人材の確保や必要なデータなどが挙げられます。

この際、実際にプロダクトを利用する顧客やユーザーを意識しましょう。顧客やユーザー目線で作られた試作品であれば、より具体的かつ効果的な検証結果が得られます。

ただし、実際の環境に近づけようと時間をかけすぎると、ノーコード開発のよさを無駄にしてしまいます。そのため、あらかじめ確保されたコストと期間に合わせて、可能な範囲内で実際の環境に近づけることが大切です。

STEP3|検証を実施する

検証する内容が決まり試作品が完成したら、実際の検証に移っていきます。得たデータに偏りが生じないよう、一部の顧客・ユーザーだけでなく、対象となる顧客やユーザーに全員に利用してもらうことが大切です。

幅広い顧客・ユーザーに利用してもらえれば、より客観的なデータを得ることが可能です。検証結果は今後のプロダクト開発に活用するため、信頼性の高いデータを集めましょう

STEP4|検証結果をもとに改善する

想定通りの検証結果が得られた場合は本格的な開発に進み、少しでも課題点が見つかれば検証結果をもとに改善を繰り返していきましょう。

PoC実施時に必要な試作品の開発段階では気づけなかった課題が、PoCの実施によって見つかることがあります。また、検証結果と設定した目的・目標を比較し、「どの程度達成できたか」「達成するのに不足している部分は何か」などを検討していきます。

検証結果をもとに改善の方向性が決まれば、次のPoC実施に向けて、再度STEP1から繰り返すことが大切です。

ノーコードを活用したPoCを成功へ導く3つのポイント

ノーコードを活用したPoCを成功へ導く3つのポイント

ノーコードを活用したPoCを成功へ導くポイントは以下の3つです。

  • 本格的な運用に近い条件で検証する
  • スモールスタートで始める
  • 信頼できる開発会社に依頼する

それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。

本格的な運用に近い条件で検証する

PoCを実施する際は、可能な限り本格的な運用に近い条件で検証を進めましょう。実際の環境とまったく異なる環境でPoCを実施してしまうと、得られる検証結果の精度は低く、本格的な運用に役立つデータは取得できません。

そもそもPoCは、新たなアイデアや技術が実際の環境で「実現性があるか」「効果を発揮するか」を検証するものです。そのため、使用環境・動作環境・対象となる顧客やユーザーなどは、本格的な運用時の条件に近づけることが大切です。

スモールスタートで始める

PoCはスモールスタートで始めましょう。PoCの実施規模が大きくなるほど、PoCにかかる時間・コスト・修正の手間も大きくなってしまいます。

PoCはあくまでもアイデアや技術の実現性を検証するものであるため、短期間かつ低コストで実施しなければなりません。小規模でPoCを実施すれば時間やコストを削減できるだけでなく、修正にかかる手間も少ないため、高速で改善を繰り返すことが可能です。

信頼できる開発会社に依頼する

PoCを外部に依頼する場合、信頼できる開発会社に依頼することが大切です。

PoCの実施には目標の設定・最適な実施規模・検証する環境整備など、多角的な視点やノウハウが必要となります。また、PoCでノーコードを活用するとなれば、ノーコード開発に対応した開発会社を選定しなければなりません。

開発会社にも得意分野や対応可能業務が異なるため、依頼する開発会社によってPoCのクオリティは変動してしまいます。そのため、開発会社の実績や過去の事例などをもとに、信頼できるかを見極めることが大切です。

まとめ

PoCは新規事業を立ち上げる際には欠かせない反面、新規事業にはスピード感が求められるため、比較的短期間かつ低コストで実施することが大切です。そのため、ソースコードの記述が必要なく、変更・修正も簡単に行えるノーコード開発と相性がよい傾向にあります。ノーコードを活用したPoCの実施で、新規事業を成功へと導きましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次