マッチングサイト市場の盛り上がりに乗じて、これから新規事業としてマッチングサイトの立ち上げを検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、マッチングサイトを立ち上げるにあたって、「どんな構築方法があるの?」「パッケージ開発とフルスクラッチ開発だったらどっちがよい?」など、サービスの構築方法について悩みを抱える方は少なくありません。
そこで、本記事ではマッチングサイトの主な構築方法から、構築にかかる費用相場や開発コストを抑えるコツまで、詳しく解説します。
そもそもマッチングサイトとは
そもそもマッチングサイトとは、ユーザー同士の需要と供給をつなぐWebサイトのことです。例えば、ホームページのデザインを依頼したい企業とWebデザイナーをつなぐクラウドソーシングサイトが、マッチングサイトの代表的な例として挙げられます。
ただし、マッチングサイトは例に挙げたようなビジネス人材のマッチングだけでなく、あらゆる分野の商品・サービスにおいても導入されており、「フリマアプリ」や「フードデリバリーサービス」などもマッチングサイトの一例です。
マッチングサイトに必要な基本機能一覧
マッチングサイトを構築するにあたって必要となる基本機能を、「運営側」と「ユーザー側」の2つの目線から一覧で紹介します。
運営側は当然、ユーザーの管理機能やコンテンツの管理機能が必要になります。さらに決済機能や請求機能といったお金周りの機能、さらにメールなどを定期的に配信する場合はメルマガの配信機能などがあると良いでしょう。
ユーザー側の機能としては、会員登録機能・ログイン機能・マイページ・退会機能といった基本機能に加え、サービスに合わせて検索機能や応募機能(やり取り機能)があると良いでしょう。
もちろんサービスの内容によって変動しますが、基本機能として上記に挙げたものは最低限の機能として考えておきましょう。
マッチングサイトの構築方法4選
マッチングサイトの主な構築方法4選を1つずつ詳しくみていきましょう。
フルスクラッチ開発|機能やデザインの自由度が最も高い
フルスクラッチ開発は、PHPやJavaなどのプログラミング言語を用いて、ゼロからシステムを構築する方法です。機能やデザインの自由度が高いことから、以下のような企業に向いています。
- 独自の機能やデザインを採用したい
- 搭載したい機能数が多い
- ユーザー数が多く大規模なマッチングサイトを構築したい
ただし、構築にはプログラミング言語を用いたコーディングが必須なため、専門知識が必要だったり、構築する時間と手間がかかったりする点がデメリットです。
また、フルスクラッチ開発は、他の構築方法に比べてかかる費用も高額になる傾向があるため、予算に余裕がない場合はおすすめできません。
パッケージ開発|ある程度の自由度を持って効率的に開発できる
パッケージ開発は、マッチングサイトのベースとなる部分に、外部事業者が提供している既存システム(=パッケージ)を活用する方法です。
パッケージはシステムの「枠組み」「ひな形」のような役割を持ち、そのまま利用することはもちろん、一部をカスタマイズして構築することもできます。
フルスクラッチ開発に比べると、時間やコストがかからないことから、多くの企業で採用されています。具体的には以下のような企業におすすめです。
- フルスクラッチ開発ほど時間やコストをかけられない
- ある程度の自由度を持って開発したい
ただし、パッケージ開発はカスタマイズできる範囲が限られていたり、パッケージを提供する事業者によって搭載可能な機能が違ったりするため、自社に最適なパッケージを見極めなければなりません。
そのため、パッケージ開発を行う際は、自社が構築したいマッチングサイトを具体的にイメージしたうえで、どのパッケージであれば実現するかを事前に確認することが大切です。
オープンソース開発|コストを抑えた構築が可能
オープンソース開発は、インターネット上で無料公開されているオープンソースソフトウェアを利用して構築する方法です。誰でも自由に利用・改変・配布が可能で、オープンソースの利用自体にはコストが発生しないといったメリットがあります。
改変にはプログラミング言語をはじめとする専門知識が必要ですが、社内にIT人材を確保できれば、カスタマイズすることも可能です。このような特徴から以下のような企業に向いています。
- 社内にIT人材を確保できている
- できる限りコストを抑えて構築したい
- シンプルなマッチングサイトを構築したい
ただし、社内にIT人材を確保できている場合でも、コードを改変してカスタマイズするにはそれなりの時間と手間がかかります。
また、オープンソースソフトウェアはサポートが充実していないことや、開発者によって品質にバラつきがみられることもあるため、利用するオープンソースソフトウェアの見極めが大切です。
ノーコード開発|専門知識不要・低コスト・スピーディーな構築が実現
ノーコード開発は、HTMLやCSSといったプログラミング言語の専門知識不要で、アプリやWebサイトなどのサービス開発を行えます。マッチングサイトもノーコードで開発できるサービスのひとつです。
ノーコード開発では基本的にドラッグ&ドロップといった直感的な操作のみで構築を進められるため、わざわざ社内にIT人材を確保する必要がありません。構築にかかる工数も少なく、スピード感のある構築が実現します。
また、ノーコード開発で利用するノーコードツールは低価格で提供されているものが多く、コストを抑えたい場合にもおすすめです。ほかにも以下のような特徴を持つ企業に向いています。
- 社内の非エンジニアを活用したい
- 開発コストを抑えたい
- 短期間で構築したい
ただし、ノーコード開発はカスタマイズできる範囲が限られており、大規模なマッチングサイトや複雑な開発には向かないというデメリットがあります。そのため、構築したいマッチングサイトの規模や開発内容に応じて、ノーコード開発で対応できるかを見極めましょう。
ノーコード開発はMVP開発やPoCにも最適
専門知識不要・低コスト・スピーディーな構築が実現するノーコード開発は、本格的な開発に用いることはもちろんですが、MVP開発やPoCにも最適です。
ユーザーの反応をみるために必要最小限の機能を搭載するMVP開発や、アイデアが実現するかを検証するPoCは、競合に遅れをとったり本格的な開発に割けるコストを減らさないためにも、時間やコストをかけられないという共通点があります。
社内にIT人材が確保できていない場合、外部からIT人材を確保する段階から始めなければなりません。
しかし、ノーコード開発であれば非エンジニアによるマッチングサイト構築が可能です。そのため、本格的な開発を別の方法で行う場合でも、「まずはMVP開発やPoCを実施したい」といった企業には、ノーコード開発の活用がおすすめです。
【方法別】マッチングサイトの構築にかかる費用相場
構築方法別で、マッチングサイトの構築にかかる大まかな費用相場を以下の表にまとめました。
ただし、構築方法によってかかるコストが変動するのと同様に、難易度も異なります。そこで、構築費用と難易度の関係性を以下のグラフにまとめました。参考にご覧ください。
開発を外部に委託する場合は、システム開発のプロが構築を進めてくれるため、構築費用・委託費用・実績・開発期間などの要素で委託先を判断するとよいでしょう。
マッチングサイトの開発コストを抑えるコツ
マッチングサイトの開発コストを抑える3つのコツについて、1つずつ詳しくみていきましょう。
本当に必要な機能のみを搭載する
マッチングサイトの構築費用は、搭載する機能の複雑さや数によっても変動します。そのため、マッチングサイトの利便性を高めようと多くの機能を搭載すると、それだけ開発にかかるコストも高くなるということです。
しかし、実際に運用をはじめると、「一部の機能がユーザーに全然利用してもらえない」といったケースが起こることは珍しくありません。したがって、マッチングサイトの開発コストを抑えるには、本当に必要な機能を見極め、無駄な機能を省いていくことが大切です。
マッチングサイトを構築する際は、MVP開発やPoCを実施しながら必要な機能を洗い出すなど、スモールスタートを意識しましょう。
補助金や助成金を活用する
マッチングサイトの開発で利用可能な補助金や助成金を積極的に活用することで、開発コストを抑えられます。マッチングサイト開発時に利用できる主な補助金・助成金は以下の3つです。
- 持続化補助金
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
ただし、補助金や助成金の種類によって条件や金額は異なるため、事前に「自社の開発が対象となるか」「いくら補助されるか」などを確認しましょう。
もし上記の助成金を活用してマッチングサイトを作りたいという方がいましたら、弊社まで気軽にお問い合わせください。
ノーコード開発で構築する
構築費用だけでみるとオープンソース開発がコストを抑えられるように感じますが、人件費や維持費などを考えると、最も開発コストを抑えられるのはノーコード開発です。
オープンソース開発でコードに改変を加えるには専門知識を持ったIT人材が必要となります。コードの改変を外部に委託する場合でも、社内にIT人材を調達する場合でも、どちらにせよ委託費用や採用コストが発生します。
一方のノーコード開発であれば、非エンジニアによる開発が可能なため、社内の人材を活用することが可能です。
また、ノーコード開発を利用してMVP開発やPoCを実施することで、「市場にどのようなニーズがあるのか」「どのような機能が必要か」などが明確になるため、搭載する機能も最小限に抑えられます。
このように、本格的な開発やMVP開発、PoCにおいてノーコード開発を利用することが、全体の開発コストを抑えるポイントのひとつです。
まとめ
マッチングサイトを開発する方法には、「パッケージ開発」「フルスクラッチ開発」以外にも「オープンソース開発」や「ノーコード開発」などが挙げられます。
構築方法によって、難易度やかかるコストだけでなく、開発できるマッチングサイトの規模・搭載できる機能・デザインのカスタマイズ性なども異なるため、自社に最適な構築方法を選ぶことが大切です。
また、本格的な開発を行う前にノーコード開発を利用してMVP開発やPoCを実施することで、より効果的なマッチングサイトを構築できる可能性があります。そのため、場合に応じていくつかの構築方法を組み合わせながら、理想のマッチングサイトを構築しましょう。